Vol.20: 2000 New Machines's Review
- 2000 Technical Fashion -

(written on 12th.Mar.2000, uploaded on 18th.Nov.2000)
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 えー、就職して1年目の喧噪の中、更新をさぼっていた結果、'99年のニューマシンレビューの次に2000年ニューマシンレビューが来るという事態に陥ってしまいました (-_-ゞ。

 そんなことはともかく。開幕が少しずつ近付いてきた2000年シーズンですが、技術規則的には、昨年とほとんど大きな変化はありません。安全性の観点から、新たなクラッシュテストが加えられたり、基準が高くなった程度です。
 グルーブド(溝つき)タイヤ、全幅1800mmになってから既に3年目。各チーム、だんだんこのレギュレーションでの最適パッケージを見つけつつあるようです。ますます、エンジンの重要度は高くなっていくと思われます。


 一方、車体側ではますます空力的に洗練させることで、より抵抗が少なく、ダウンフォースを稼げるよう改良が進んでいます。そんな中、今年多く見られるのが、'98年の中盤からフェラーリが導入した上方排気システムの導入です。

 F-1マシンのレイアウトというのは、年々厳しくなりつつあります。非常にシビアに寸法を規制された中から、少しでも空力的効果を引き出すためには、エンジン、ギヤボックスと、非常に多くの構造体があるリヤのレイアウトはかなり困難なパズルを解くようなものだと言えるでしょう。
 また、エンジンの排気は以前は車体底面のディフューザ(*)付近に排出されていましたが、これはアクセルのオン/オフにより空力特性が変化し、大きな悪影響を与えていました。

upper exaust
フェラーリF300('98年)の上方排気

 その一つの回答として考案されたのが上方排気だったわけです。
 上方排気を導入するには、それにあわせてエンジンの特性も変化させなければならないため、シャシーを作るチームと、エンジンを作るメーカーの密接な連係が必要です。上方排気のメリットを知りながら、他チームがフェラーリより2年も遅れたのには、そういう事情があったわけですね。
 詳しくはバックナンバーでご覧下さい。

 一方で、マクラーレンは同じ目標を達するべく、上面排気ではなく、全く別のシステムを採用してきました。まあ、これはマクラーレンの項で詳しく説明することにしましょう。


 その他目だつのは、これもマクラーレンMP4/13が先駆けた、モノコック(*)にフィンを設けて寸法を稼ぎ、レギュレーションよりもさらに断面積の小さなモノコックとする手法です。
 これに加えて、ドライバーの着座位置を非常に低くすることで、マシン全体を低く作り、重心を少しでも低くしようという意志が見えるマシンが多くなりましたね。エンジンの超軽量化により、リヤ部分を非常に小さく作ってマシン前半部を長くし、最近非常に重要になったフロント周りの空力を改善しようという設計も目だちます。
 この辺は、昨年のニューマシン・レビューをご覧になるとわかりやすいでしょう。


 それでは、2000年シーズンにデビューするマシン達を一台ずつ、発表された順にじっくりと見ていく事にしましょう。



Benetton Playlife B200 (launched on 17th.Jan)

BAR Honda BAR02 (launched on 24th.Jan)

Williams BMW FW22 (launched on 24th.Jan)

Jaguar R1 (launched on 25th.Jan)

Arrows Supertec A21 (launched on 27th.Jan)

Jordan Mugen-Honda EJ10 (launched on 31st.Jan)

Prost Peugeot AP03 (launched on 1st.Feb)

Sauber Petronas C19 (launched on 2nd.Feb)

McLaren Mercedes MP4-15 (launched on 3rd.Feb)

Ferrari F1-2000 (launched on 7th.Feb)

Minardi Fondmetal M02 (launched on 16th.Feb)

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