Scuderia Ferrari Marlboro
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チーム状態など
F-1選手権の開始された'50年から参戦を続ける唯一のチーム。超名門。それがフェラーリです。その名門も、昨年ようやくコンストラクタースタイトルを手にしたものの、最後に獲得したドライバーズタイトルは既に20年前、'79年のジョディ・シェクターのもの。長く、最高の栄光から離れているのです。
オーバービュー今年もマシンは鬼才と言われたロリー・バーンがデザインを担当。その名も「F1-2000」。なんて長いマシン名だ! そのF1-2000。最近はかつてほどのアヴァンギャルドさが見られなかったバーンのデザインでしたが、今年のマシンは久々に、相当攻め込んだデザインが見受けられます。滑らかな印象のマクラーレンと比べ、相変わらず贅肉を徹底的に削ぎ落としたような、ギスギスした気持ち悪さを感じます。しかし、それが凄みに感じるほど、このマシンにはやる気がみなぎっています。 マシン前半部分 |
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非常に高くて薄い F1-2000のノーズ |
まず驚かされるのが、ただでさえF-1界随一と言って良いほど高かったノーズがさらに高くなっていることでしょう。そのため、フロントサスペンション(*)のロワアーム(下側のアーム)を受け止めるバルジ部分が、完全に船のキールのような巨大な突起になっています。 |
最近では一般に、極端なハイノーズにしてフェラーリのような突起を設けるより、マクラーレンのような低いノーズで、突起のない下側が狭くなったホームベース型のモノコック(*)とした方が、空気抵抗が減ってフロントウィングの効率が上がり、ダウンフォースも増えると言われています。それに真っ向から対立するこのフェラーリのハイノーズは注目に値しますね!
さらにこのノーズが、非常に平たく薄いです。モノコック側面の垂直面に関する規定を満たすためのマクラーレンのようなフィンを取り付けてきましたね。
昨年物議を醸した3Dタイプの複雑なディフレクター(*)、まるで矢印のような形状のフロントウィングは昨年型から継承。これらもフェラーリ独特のアイデンティティですね。 マシン後半部分 |
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90度バンク角を持つ 新型049エンジン |
驚くべき事に最新型049エンジンのVバンク角は、90°にまで広げられたようです。エンジン単体の働きを優先させるのならば、V10エンジンの理想的なVバンクは72°です。しかしフェラーリはエンジン単体の性能よりも、重心を低下させてマシン全体の性能を上げようとしてきたわけです。 かつてシャシー部門とエンジン部門の噛み合わなさが幾度となく指摘されてきたフェラーリですが、ジャン・トッドのリーダーシップのもと再編成された技術部門の連携の良さは素晴らしいものがありますね。 |
かと言って不安がないわけではありません。間違い無くエンジン単体として持っているポテンシャルは低くなるわけですし、この大幅変更によって049は昨年型マシンでのテストを行えませんでした。信頼性がどれほど確保できているか、これが鍵になります。 |
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絞り込まれたサイドポンツーン |
エンジンの変更に合わせてリヤカウルも大幅に低くなりました。非常に攻撃的なフォルムに見えます。高温冷却型となったエンジンのおかげでラジエターがさらに小さくなったこと、そしてもちろん、エンジン自体が低くなったことがこれに大きく貢献しています。
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ラジエターインテークもこの形に合わせて曲がっているため、非常に気持ち悪い形状になっています。しかし、なかなか研究された形状のようで、下側が絞り込まれた流行の形状になっていますね。
さらに、コクピットのサイドプロテクターはインダクションポット(*)の部分とは完全に分かれていて、コクピット部分のすぐ後ろでティアドロップ(涙滴)に絞り込まれているため、インダクションポットが驚くほど細く、断面積の小さなものになっています。この辺も昨年のジョーダン199と似ていますが、実に洗練された印象を受けますね。
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有機的なリヤウィング翼端板と 新しいディフューザ |
洗練はリヤウィングにも見られます。非常に有機的な翼端板で、下側が複雑に曲がっています。恐らくはマクラーレンと同じような目的なのでしょうが、なかなかに興味深い形状です。
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総括
非常に戦闘力を感じるマシンです。凄みすら感じます。それと同時に、一昨年完成した50%スケール実験も可能な風洞がフル活用されているのが伺えるキメ細かさも感じられ、非常に完成度も高いように見受けられますね。
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