West McLaren Mercedes
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チーム状態など
アドリアン・ニューウィーの加入、メルセデスエンジンの熟成、さらにはハッキネンの成長から、再び王者に返り咲いたマクラーレン。しかし、昨年はフェラーリにコンストラクターズタイトルを奪われました。
オーバービュー
さて、今年も本命の一角であることは間違いないMP4-15。一見すると昨年のマシンから大きな変化がなく、ファンとしてはなんだかもの足らない印象...。
マシン前半部分まずマシン前半部分を見ると、恐らくモノコック(*)の高さは同じようですが、ノーズが多少短くなり、その影響で先端部分は少し高くなっています。昨年ナーバスだったマシンの挙動を押さえる目的があるのでしょうか? |
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MP4-15のサスペンションアーム |
昨年シーズン途中に、一昨年と同様の、アクセルラインの高さに戻されたタイロッド(*)は、再びサスペンション(*)のアッパーアーム(上側のアーム)と同じ高さに戻されました。
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昨年最終戦で試されたフェラーリ風の3Dディフレクター(*)は結局採用されず、結局、これまで通りの大きな一枚板のものです。フロントウィングなどにも変更はなさそうです。
マシン後半部分あまり変化のない前半部分はともかく、MP4-15の目玉は後半部分にあります。 |
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センターディフューザの 真ん中に排気するMP4-15 |
他チームが排気がディフューザ(*)の空力に与える影響を回避するために上方排気を採用する中、マクラーレンは全く逆のことをやってきました。
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他チームがこれを嫌がるのは、エンジンの回転数によってその効果が変化し、マシンの操縦性に悪影響を与えるからです。しかし、マクラーレンとメルセデスはなんらかの方法でこれを解決したようです。当初は規則の編み目をくぐって何らかのデバイスを用いていると言う噂が流布しましたが、どうも、排気管などのレイアウトを工夫しただけのようです。(ちなみに、排気効率をバルブなどでコントロールすることは禁じられています)
さて、そのセンターエキゾースト導入の影響か、リヤカウルはさらに低くなりました。リヤタイヤ前のフィンはさらに大きくなり、リヤサスペンションを覆うバルジも、カウル後部に大きく張り出していることが、それを示しています。当然コークボトル(*)の絞り込みもさらに強化され、リヤの空力の効率化が進められています。 |
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煙突状ダクトが目立つサイドポンツーン |
んで、その一環として導入されたのが、新たなラジエターの排気方法です。これは発表会では取り付けられていなかったものですが、リヤカウルのフィンの直前に高さ20cm程の、ティアドロップ(涙滴)形状をした煙突を立て、その内部から排気するようになっています。さらに、取り外しがきくので、予選では使用しないなど臨機応変に使い分けることが考えられます。
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インダクションポット(*)は昨年よりも多少丸みを帯び大きくなりました。さらに、その位置は昨年よりも後退し、ドライバーのヘルメットからの距離を広げてあります。なんだか、ニューウィー作のウィリアムズFW19に先祖返りしたようなルックスですね。
総括
総じて見ますと、とげとげしいほどシャープな印象だったMP4-14と比べ、丸みを帯びたMP4-15はいかにも信頼性がアップした質実剛健な印象を受けます。一方ではセンターエキゾーストのような意欲的な試みも行われており、さすがはニューウィーと思わせます。完成度は全チーム中随一と言って良いでしょう。
マシン側としてはもはや何も問題ない。あとはドライバー次第と言ったところでしょう!やっちゃいけないミスをしない。同士討ちをしない (。_゜☆。 |
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