Annotates

ディフューザ

Diffuser
元祖・ロータス94T('83年)の
ディフューザ

 ディフューザとは、車体後端底面に設けられた空力デバイスで、マシンの底を流れてきた空気を拡散させることでマシン底面に負圧を作り出し、ダウンフォースを得ている。

 ステップドボトム・レギュレーションのために、かつてほどの絶大なダウンフォースは得られなくなったが、今でもF-1の空力を語る上では欠かせない重要なパーツである。

 ディフューザに関しては第四章を参照のこと。

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モノコック

 マシンの背骨とも言え、ドライバーやガソリンタンクが収まり、後部にエンジンが連結されるなど、非常に重要な部分。ここの強度によってもマシンの操縦性能は大きく変わる。
 もともとは「一つの殻」という意味で、力を外皮全体で受け止めるため、軽量で丈夫な構造が可能。F-1で最初にモノコック構造を導入したのは'62年のロータス25(不朽の名作。美しいっ!)。
 近年ではこの素材にカーボンファイバーが導入され、強度と安全性が高まったが、さらなる安全性のため、最小サイズが定められている。
 だが、'98年のマクラーレンはモノコック上にフィンを立てることで見かけ上規定を満たしながらさらに小型のモノコックを実現。多くの他チームも追従。

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ホイールベース

 ホイールベースとは、前輪車軸と後輪車軸の距離のこと。一般には短い方が不安定だが回頭性が良くなり、長い方が安定するが曲がりにくくなると言われている。
 ...ほら、小型車の方がUターンしやすいでしょ?

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サイドポンツーン

side-pontoon
サイドポンツーン (ジャガーR1)

 マシンの横に張り出した箱状の構造物で、エンジン冷却のためのラジエターや、衝撃吸収材など重要部品が収められるばかりか、空気力学上も非常に重要な役割を持つ。

 前部はラジエターインテークとして開いており、冷却風を取り込むようになっている。最近はこの部分の形状に工夫を凝らすのがトレンド。

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ディフレクター

Deflector
ディフレクターの働き

 ディフレクターとは、フロントタイヤの内側からサイドポンツーン前方あたりに設置された整流板の事で、フロントタイヤの発生した空気の渦を外側に追い出し、ボディ側面の空気流を整流する目的がある。

 ディフレクターに関しては第五章を参照のこと。

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サスペンション

 タイヤが路面から受ける影響を吸収し、マシン自体の姿勢には影響を与えないようにする仕組み。
 使われるスプリングの種類には、一般にバネと聞いて思い付く螺旋状の「コイルスプリング」と、捻じり棒の弾性を利用した「トーションバースプリング」などがある。

coil spring
コイルスプリング
サスペンション

 コイルスプリングは、普通スプリングと言って思い浮かべるもので、コイル状に金属を巻き、その弾性を利用するスプリングのこと。
 特性が理解しやすく、ストロークも大きくとれて扱いやすいが、重量やサイズの点で弱点がある。

torsion bar spring
トーションバースプリング
サスペンション

 一方、トーションバースプリングというのは、円筒状の金属を円周方向に捻る時の反発力をバネとして利用したスプリングのこと。

 強く押されるほど反発力が強くなると言う特性を持っている事、コイルスプリングよりも小型にできる事、さらには、筒を取り替えるだけでセッティングが変更できるというメリットがある事などから、最近のF-1では半ばスタンダードになりつつある。

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タイロッド

tie-rod
タイロッド

 ステアリングの動きに応じてタイヤを動かすアームのこと。
 空気抵抗を減らすため、サスペンションのアッパーアーム(上側のアーム)と同じ高さにするのが半ば常識的だったが、サスペンションとタイロッドの理想的な働きを両立させるために、それぞれの高さを分離する手法が、'98年のマクラーレンMP4/13を起源に流行中。
 だが、トップチームは徐々に再び空力重視でアッパーアームと同じ高さに戻りつつある。

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インダクションポット

induction pod
インダクションポット

 インダクションポッドとは、エンジンに送る空気を取り入れる部分のこと。ドライバー頭の後ろの塔のような部分。
 狭い空間に大量に空気を押し込むと圧力が上がる「ラム圧」を利用して、過給効果でよりハイパワーを得ようという目的がある。

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コークボトル

coke bottle
コークボトル

 サイドポンツーンの後端を絞り込む手法。これによってマシン側面の流速の速い空気をマシン後端底部のディフューザの上部に導き、その効果を飛躍的に向上させる。

その起源は、ジョン・バーナードのマクラーレンMP4/1B('83年)に遡る。

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アンダーステア

 ステアリングをきったラインよりもマシンが曲がらないこと。逆に、曲がり過ぎるのがオーバーステア。一般的にフロントタイヤのグリップが足らないとアンダーステアになる。

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プルロッド

 タイヤの上下動を引っぱりの力としてスプリングに伝えるサスペンション方式。一方、押しの力で伝えるのがプッシュロッド。一般にプッシュロッドのほうがストロークを確保しやすいと言われるが、ストロークが極端に少ないF-1において実力として大きな差はない。前から見てハの字になっているのがプッシュロッドで、逆ハの字がプルロッド。

 F1ではゴードン・マーレイのBT42('73年)が起源。

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