BMW Williams F1 Team
FW22

(lauched on 24th.Jan)

< BAR Jaguar >

チーム状態など

 ルノーワークス撤退と、虎の子アドリアン・ニューウィーを失うのと同時に、大きなレギュレーション変更に巻き込まれ、苦戦を強いられてきたウィリアムズ。既に2年も勝利から離れています。
 今年は大きな変化。ドイツの勇、BMWとの強力なコンビネーションを組むことになったのです。

 BMWは'83年にブラバムと組んでターボエンジン初のドライバーズタイトルをネルソン・ピケにもたらした名門です。非常に強力なタッグとなることは間違いないでしょう。
 ただ、今年に関しては久々のF-1エンジンということで、トップエンジンとなることはまず不可能でしょう。それほどに、現在のF-1エンジンは先鋭化された厳しい競争世界です。
 ですから、このタッグもまだ過渡期と見るべきです。

 そして、ドライバーも変わりました。昨年ノーポイントに終わったザナルディが放出され、イギリスF-3で3位、マカオ、コリアGPで連続2位に入った超新星、ジェンソン・バトンが大抜擢されたのです。
 彼はまだ4輪レース3年目という経験の少なさですが、カートで鍛えた腕と、F-3レースで見せた順応性の高さは非常に評価が高いです。素晴らしい逸材だけに、個人的には万全の体制で臨んで欲しかったのですが、過渡期にあるウィリアムズからのデビューとなりました。
 しかし、もしこの状況でラルフと互角に戦えれば、彼には非常に輝かしい未来が待っていると言えるでしょう。期待しましょう。


オーバービュー

front

 さて、発表されたマシンの印象はまさに(昨年のFW21+フェラーリF399+マクラーレンMP4/14)÷3という感じで、実に堅実なマシンに写ります。
 昨年の後半に見せたFW21の速さは、エンジンなどの状況から考えると、非常に優秀なものでした。その改良でいくのはごく自然ですし、まあ、非常にウィリアムズらしい方向性を持ったマシンだと言えるでしょう。


マシン前半部分

 ノーズは昨年よりも丸みを帯びて高く、細くなり、非常にフェラーリに似た印象になりましたね。ボトムとの付け根付近の処理も良く似ていますが、細かく見ると、ボトムプレート部分がちり取りのようになっていて、空気を積極的に切り分けようとしています。

under monocock
フロント部分の空力

 一方では、マクラーレンのような巨大なディフレクター(*)や、フェラーリのような三次元ディフレクターはつけず、昨年と同様のノーズの横の小さなディフレクターだけのようです。
 その代わり、昨年後半に導入したボーダーウィングは継続採用。これはジョーダンも同様に採用していますが、他のチームとは違う手法で面白いですね。恐らく、サイドポンツーンのサイドに流す空気よりも、マシンの底に流す空気を重要視していると言えるでしょう。

 フロントウィングステーは昨年と同様でねじれが入っています。SF-03なんかもそうでしたが、ノーズに近いところはノーズと同じ角度で、ウィング上面は平行に、ということでこのような形状になっていると思われますが、マクラーレンやベネトンは丸くなってたり、フェラーリやジョーダンは完全に平行だったりと、いろいろ個性があって面白いですよね。


マシン後半部分

side view
FW22サイドビュー

 サイドポンツーン(*)は低めの昨年型を踏襲。ラジエターインテークが少し高くなっているのも同じで、まあ、最近のトレンド通りという感じですね。
 しかし、後端にとりつけられたフィンはマクラーレン型に酷似しています。ジャガーJR-01も同様の形状でしたし、ニューウィーデザインの秀逸さが認められているのでしょう。見た目も美しいですよね。

 インダクションポット(*)は細身でフェラーリのような印象。ただし、その部分を整流する耳のようなフィンはついていません。また、プロテクター周辺は流麗なマクラーレン風の印象ですね。

 マシン後半部分は他のマシンと比べると、長いです。BMWエンジンは依然トップクラスのエンジンと比べるとサイズが大きいとのことで、その影響があるのでしょう。やはり今年はまだまだハンディが大きいでしょうね。


総括

 ま、全体的印象としては、なかなかいい印象ですね。昨年も同じこと言いましたが、それよりもさらに良い印象です。BMWエンジンのハンディはかなり大きいでしょうが、それをなんとかうまくカバーしようとしていると感じます。
 とは言ってもまだなんかウィリス特有のちとヤボッたい感じは残っているかなぁ? (^^;

 それでも、こうして全体に流れを感じるマシンというのは、決して悪い成績を残してないです。昨年を上回る成績は可能ではないでしょうか?
 ほんとに、まだまだ未熟成のBMWエンジン次第ですね。マシン側に大きな問題はないように感じます。
 ドライバー達も非常に期待できますしね!

< BAR Jaguar >
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