Jaguar Racing
R1

(lauched on 25th.Jan)

< Williams Arrows >

チーム状態など

 昨年初優勝とともに、短いチームの歴史に終止符を打ったスチュワートは、世界第二位の自動車メーカー、フォードのワークスとして生まれ変わりました。
 しかし、表向きはイギリス一色を全面に出し、傘下のジャガーブランドとし、ドライバーもイギリス人二人を揃えました。エンジンも昨年同様コスワースが、業界最小・最軽量といわれる最先端エンジンを製作します。

 しかしながら、ラウンチと同時にジャッキー・スチュワートの引退・フォード副社長ニール・レスラーの代表就任も発表され、ますますフォード色は強まっており、チーム体制の強化が計られているようです。今年のグランプリを引っ掻き回すのはほぼ間違いないと言えるでしょう。


オーバービュー

launch

 かっこいいです、このマシン。
 まあ、かなりマクラーレンと似た部分は多くあります。インダクションポット(*)周りとか、その脇のフィンに至るまで、相当、昨年のマクラーレン化が進んでいる感は否めません。

 しかし、ところどころに、業界きっての耽美派デザイナー、ゲーリー・アンダーソン師匠 (^^;のこだわりが感じられて、単なるマクラーレンコピーには感じないところがニクイです。


マシン前半部分

monocock
R1のモノコック

 ただでさえ昨年から低かったノーズはさらに低く、そして薄くなりました。これ、すっげーセクシー!
 あ、タイロッド(*)がアッパーアームと同じ高さになりましたね。

 さらには、サイドポンツーン前端上部からコクピット、それにプロテクターを含めた部分の流麗さはマクラーレンを上回るほどだと思いますね。低いノーズにも関わらず、マクラーレン以上に高いサイドポンツーンがあるから、こうした流麗なデザインになるのでしょうね。

 ディフレクター(*)は最新トレンドてんこもり!って感じですね。基本的にはマクラーレンタイプの大型の三角形状を基本としつつ、昨年の後半にマクラーレンが試していたガーニーフラップ、それに、ザウバーやフェラーリがトライした三次元形状まで取り入れ、相当積極的にフロントの空力を改善しようという意欲が見れます。


マシン後半部分

side-pontoon
サイドポンツーン

 ラジエターインテーク下部も、このチームの伝統で少し地上から高くなっており、フロントからの空気の流れをコントロールしようとしていますね。インテーク内部も、SF-03と同様に丸みを帯びた独特の形状になっています。

rear
上方排気とディフューザ

 あと、上方排気システムも、実にシンプルにまとまっていますね。ザウバーなどと比べると、非常にスマートです。さらに、リヤカウル後端のラインが、ジョーダン195などを思い起こさせて、いかにもゲーリーさんって感じですね (^^;。

 サイドポンツーン(*)のラジエターインテークの下部も絞り込まれ、MP4/14っぽいですね。リヤタイヤ直前のフィンもそっくりです。
 しかしながら、この辺のラインは実に流麗で研究されたフォルムに感じます。かなりのポテンシャルを感じさせますね。


総括

 かなりいいマシンだと思います。昨年のジョーダン199のような印象を受けました。決して大それたことやっているわけでなく、当たり前のことをやっているんだけども、全体としてまとまっていて、流れがある。こういった印象のマシンは僕の経験上、必ず活躍するっっっ!(あ〜あ、断言しちゃった (^^;)
 ちょっと...マクラーレンとフェラーリに匹敵するとは言えないですが...ジョーダンあたりと激しい3番手争いを繰り広げるのはまず間違いないでしょうね。

 ただ、心配なのは、急激にチーム体制が変化したことです。現にテストでも、トラブルが出たエンジンに関して、シャシー側の人間のエンジン側のコスワースのスタッフの間でかなり険悪な場面があったそうです。
 未だに信頼性も完全ではないようなので、序盤戦は不安が残るところですね。

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