Orange Arrows Supertec
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チーム状態など
さまざまなカテゴリーで成功を収め、自動車企業としての地位も確立しているトム・ウォーキンショーが率いるアロウズ。強引とも思える運営のツケが回ってチームは資金難・大混乱に陥り、昨年は一旦はナイジェリアの王子、マリク・アブラヒムに実権を譲ったものの、資金を持ち込めなかった王子を追い出し、再びウォーキンショーがトップとなりました。
そして、開幕直前の3月3日にはついに待望のメインスポンサー、オレンジのコーポレートカラーを纏い、正式ラウンチに至りました。 オーバービュー今年のマシンは、一年落ちだったA20から一転。早々に決定したスーパーテックエンジンに合わせてA21が用意されました。ラウンチ自体は遅かったものの、マシン自体は1月27日にはシェイクダウンされ、テストを重ねてきました。
大失敗作ティレル021で知られる (^^;、テクニカルディレクターのマイク・コフランに加え、昨年までスチュワートにいた空力の専門家エグホール・ハミディが加入し、技術陣のレベルはかなり上がっています。
マシン前半部分 |
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プルロッドが最大の特徴である A21のモノコック |
モノコック(*)は流行に沿って非常に低く作られ、また、他チーム同様にフィンが立てられています。 驚くのは、フロントサスペンション(*)がプルロッド(*)になっていることです。'90年代はハイノーズ全盛により、ノーズ下側にその仕組みが組み込まれるプルロッドは完全に姿を消していましたが、マクラーレンから始まったローノーズ志向のなか、2000年代になってとうとうプルロッドが復活しました。 |
とは言え、サスペンションの働きとしてはプッシュロッドと大差はないプルロッド。その狙いは低重心化にあると思われます。プルロッドではサスペンションの主なユニットが下側に来るからです。さらに、プッシュロッドに比べて強度が不要なため、サスペンションアームも非常に細くでき、空力効果も上がることが期待されます。
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下部が大きくえぐられて 高くなっているA21のモノコック |
その他のフロント付近の機構は非常にオーソドックスですね。アッパーアームと分離したタイロッド(*)、非常に大きなディフレクター(*)などは、マクラーレンと同様と言って良いでしょう。 ただ、モノコック上面に立てられたフィンは他チームと比べても際立って高く、その分底面が後方に向かって大きくえぐられています。前方からだけ見ていてはわかりませんが、実は相当にノーズ自体は高いのです。それでいてプルロッドによって重心は低くなっているのだから、かなり巧妙なデザインであると言えるでしょう。 |
ハミディらしいかなり個性溢れたデザインですね。 マシン後半部分 |
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ハミディの独創的な空力が炸裂している A21のリヤ部分 |
リヤ部分は、新加入のエグホール・ハミディの影響を大きく感じます。少し丸みを帯びたなだらかなサイドポンツーン(*)はラジエターインテークの下側が高くなっていて、昨年までのスチュワートに非常によく似ていますね。
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インダクションポット(*)部分とドライバーのサイドプロテクターはフェラーリ同様に分離しており、間を空気が抜けるようになっています。そのため、インダクションポットは非常に細く作ることができています。 コークボトル(*)の絞り込みは非常に深く、またリヤカウル後端の高さも抑えられています。さすが、早くからエンジンが決まっていただけあって、かなり良くまとめられていますね。
リヤウィングはこれまたスチュワート時代にハミディが試していたものに酷似してロワーエレメント(下側のウィング)がマウント部分で微妙に捻れている特徴的なものになっています。
総括
なによりもプルロッドに驚かされたアロウズA21でしたがテストでは絶好調。なんとマクラーレンらを抑えてトップタイムを連発。昨年のポールタイムまでも大幅に更新してしまいました。ただ、これはスポンサー狙いであるようで、かなり燃料を減らしてタイムアタックをしたものと考えられます。
スーパーテックエンジンは今年はルノーがかなり力を入れてきていると言う話ですが、所詮はカスタマーエンジン。過度の期待はできません。しかしながら、堅実な中にも興味深い試みをしてきたA21はなかなか良いマシンであることが伺えます。テスト絶不調のプロストや、BMWが回らないウィリアムズ、そして同じスーパテックのベネトンらを時には食うシーンも見られるかもしれません。 |
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