Lotus 91
< Alfa-romeo Tipo179c Lotus97T >

INTRODUCTION

 フェラーリと並び、その対極的なチームとしてF-1に大きく名を残すチーム、それがロータス。
 この富士のイベントにも来ていたロータス78をはじめとして数々の革新的なマシンを送りだしてきたのは、ロータスの創設者でもあるコーリン・チャップマンだったわけですが、その彼が最後に直接関与したF-1マシンがこのロータス91です。

 91が登場した'82年当時、ロータスは自らが切り開いた「ベンチュリーカー」の熟成に失敗し、皮肉にも後発のチームに出し抜かれ、非常に厳しい状況に置かれていました。なにより、起死回生を狙った「ツインシャシー」ロータス88が他チームの猛反発によって半ば「数の論理」によって違反とされたことにより、チャップマンのF-1に対するモチベーションが非常に低くなってしまっていた時期でもありました。

 それでも、最新のカーボンモノコックや、フォードDFVV8エンジンを中心にベンチュリーカーとして非常に洗練されたレイアウトなど、91はかなりの戦闘力を持ったマシンになっていました。
 そして迎えた第13戦のオーストリアGPでは、イタリアの自由奔放な貴公子エリオ・デ・アンジェリスのドライブで、追いすがるケケ・ロズベルク(この年のチャンピオン)のウィリアムズを0.05秒差で振り切ってロータス4年ぶりの優勝を遂げたのです。
 自チーム優勝のゴール時には必ずそのハンチング帽を投げ上げていたコーリン・チャップマン。そしてこのレースが彼にとって、最後にハンチング帽を投げ上げたレースになったのでした。この年の12月、アクティブサスペンション初めてのテストが行われる予定だったその朝に、彼は心臓発作を起こしてこの世を去ったのです。


PICTURES & ANNOTATES

slant

 斜から。78と比べると非常に丸く、いかにも洗練された印象。精悍な黒いJPSカラーが良く似合います。

 ノーズはかなり短く、ドライバーが非常に前方に位置していることがわかりますね。
 フロントウィングもかなり小型。ベンチュリーによって大きなダウンフォースを獲得できていたことがわかります。実際、レースによってはフロントウィングは外されていました。

front

 フロントビュー。78と比べても、さらにトレッドが広く、前方から来た空気を多くベンチュリーに取り込もうとしています。

 実にシンプルで、ベンチュリーカーとしてはごくごくオーソドックスなスタイル。希代の発明家コーリン・チャップマン最後のマシンとしてはちょっとふさわしくないかもしれませんね...。

ventury

 リヤビュー。78と比べてみて下さい!
 ベンチュリーはマシン後端にまで達し、そこには極力空気が通るの邪魔が少ないように実に高度なレイアウト施されています。
 排気管が「上方排気」なのにも注目(リヤウィングステーの前方)。これらはベンチュリーカーの常套手段でした。
 この頃からF-1は実に高度なシャシー開発競争にますます拍車がかかっていったのでした。

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