Benson & Hedges Jordan Mugen Honda
|
|
< Ferrari | Minardi > |
昨年序盤の大不振から立ち直り、初優勝を飾るなどして見事トップ4の座を射止めたジョーダン。
さて、昨年の198の序盤の失敗はやはり、新レギュレーションに対するコンセプトのミスにありました。サイドポンツーンが長過ぎてフロントの空気の流れが滞り、フロントウィングの効果が薄れた上に、重量バランスも良くなく、ブレーキング時の重量変化もよくありませんでした。
そのため、ここもフェラーリと同様、今年は昨シーズン途中に加えられた改良を整理し、完成型にすることであったことは、ガスコインも公式に認めています。 しかし、フェラーリと違う事は、外見...つまり、空力パッケージに関してはかなりガラッと変えて来た事です。 パッと見て実に低く、精悍な外観。あのノーズのスズメバチもより戦闘的なカラーリングに変わり、ジョーダンの本気が伺えます。恐らく、チームの誰もが「今年はチャンスだ!」と思っているのでしょう。 特に目立つのがコクピットの低さ。198ではまだドライバー着座位置が高く、プロテクターもかなり目立っていましたが、199になって、まるでためらいの欠片もなくドライバーの着座位置は低められ、さらにフィンによって寸法を稼いでおり、プロテクターはほとんどコクピットの縁と同じくらいの高さにまで低められています。この低さは今年のマシンで随一かも知れません。 |
|
で、また面白いのがこのプロテクターによって盛り上がってしまったコクピットサイドを周りに馴染ませていく方法。他のチームは、少しでもプロテクターの幅を狭めるためにコクピットの縁を明確にサイドポンツーンと分けて切り立った感じにしているのですが、ジョーダン199の場合は、非常にプロテクターが低い分、ほとんどその高さのままサイドポンツーンへと膨らみが吸収されています。
|
|
見かけ的にもなかなかスマートでかっこいいですねぇ! サイドポンツーン後端は、ラウンチ時には198でのウィングレットに変わって、昨年イタリアGPでのみ使用したフィンが取り付けられましたが、テストではウィングレットも使用しているようですね。 |
|
ディフューザはこれまた昨年後半戦に使用していた、奇妙な曲線の入ったスプリッターを持つディフューザを装備。しかし、このあたりは最新トレンドな形状だと言えます。あ、テールランプ、ジョーダンも斜めになってる! |
|
また、ノーズは先端がかなり低めにされていて、一見してマクラーレンMP4/13を模倣して来たように見えます。しかしその実、このマシンはかなりマクラーレンがオリジナルのトレンドから離れたマシンとなっています。
さらに、タイロッドも従来通りアッパーアームと同じ高さですし、なんとアロウズを除く他の全てのチームが採用している最新トレンドのトーションバー横置きレイアウトも採用せず、従来どおり、コイルスプリングをモノコックの上面に寝かせて配置している事が、上面の突起からもわかります。 このように、このジョーダン199は、悪い言い方をすれば「保守的」かもしれませんが、決して流行を追ったりはせず、自分達の良く分かっている道具でメカニカル部分を仕上げつつ、かなり攻め込んだ空力パッケージを構築した、という印象を受けます。
|
|
< Ferrari | Minardi > |