Scuderia Ferrari Marlboro
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大本命の一角フェラーリ。序盤に圧倒的な強さを誇ったマクラーレンをグングン追い上げ、ギリギリまで追い詰めてみせた昨年の戦いぶりから、今年のタイトル最右翼に挙げる関係者も少なくありません。 過去、フェラーリは些細なきっかけから度々内紛が起きて自滅していくパターンが多くありましたが、モンテツェモーロ社長体制になってからは「安定」をキーワードにした体制づくりをしてきました。
さて、そのバーンが必勝を期して'99年に投入するマシンの名はF399。「3」リッターエンジンを搭載した「99」年仕様車ということらしいですね。
うん、昨年のF300は序盤を戦ったマシンと最終戦を戦ったマシンはほとんど別物と言っていい程進化したマシンでした。それほど昨年のフェラーリはマシンをラジカルに進化させ、それが過去のF-1の歴史に反して大成功した例だと言えるでしょう。
まず、排気管を短くすることによる出力の向上と、レイアウトに大きな制限のできたリヤの整理を目的として導入された上方排気システムは、廃止も検討されたとの事ですが、より洗練された形で継承されました。
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また、昨年終盤戦で投入された後退角のついたウィングも継承。これはコーナーリング中にフロントウィングになるべく垂直に空気があたるような工夫であると考えられます。ロリー・バーン独特の最先端の空力であると言えますね。 このフロントウィングに見られるように、細かいディティールを見ていくと、贅肉を削いだようなエキセントリックなロリー・バーンラインが随所に見られます。 良く見ると、サイドポンツーンには段差がついています。これはバーンが'94〜'95年にベネトンで採用していたのと全く同じ形状ですね。見た目的にすごくシャープな感じになり、「いかにもバーン」っていう感じですねぇ。
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さて、フロントに目を移しますと、トレンドリーダー・マクラーレンとは全く逆に、一寸の躊躇も感じない超ハイノーズが目につきます。先端こそしゃくり上げていませんが、歴代F-1全マシンの中で、このノーズは最も高いものではないでしょうか?
普通、極端なハイノーズは車高変化に敏感になってしまうため、最近では嫌われる傾向にあります。しかしながら、フェラーリはテストでかなり精密な車高などのセンサを取り付けて熱心にテストしており、「非常にセッティング幅が広い」というブリヂストンスタッフの言葉が裏付けるように、相当「扱いやすさ」に気を配ったマシンになっていることも確かなようですね。
また、タイロッドもアッパーアームと同じ高さのまま。
んで、F300で奇妙なデコボコのあったモノコック上面はスッキリと丸みを帯びた形状になりましたが、マクラーレンのようにフィンを立ててまで低くしようとはせず、また、ドライバーの着座位置もマクラーレンに比べるとかなり高いままです。
インダクションポットの下はかなり削られましたねぇ。ボコッとインダクションポットだけが飛び出してるような感じになりました。相当ヘルメットからの乱流に気を配りましたね。
んで、結局唯一マクラーレンの真似をしてきたのが、サイドポンツーン後端のフィン。昨年の「醜い!!(^^;」ウィングレットに変わって登場のこのフィンですが、実は昨年マクラーレンはこのフィンによってラジエターの冷却効率も上げていたと言われているのです。一方でフェラーリは夏場、ラジエターの冷却に苦しみ、サイドポンツーン後端は穴だらけになっていました。その教訓を生かし、マクラーレンを堂々と模倣してきたと言うわけですねぇ。 ま、ともかくこのマシン、昨年シーズン途中に大幅な進化を遂げたF300の完成品的なマシンに仕上がっていますエンジンもどんどん進化していますし、間違いなく一線級のマシンであることは確実です。
まあ、ランキング3位以下というのはまずありえないでしょうが、少なくともこのフェラーリがマクラーレンをぶっちぎれる程のレベルのマシンであるとも思えません。やはり勝つとしてもチーム一丸となった力で僅差でマクラーレンを破る、というパターンが今年も多いでしょうね。 |
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