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2000 Round.6
European
21th.May.2000

Europe
Nurburgring
Nurburgring Circuit



 このヨーロッパGPが開催されたドイツのニュルブルクリンクは古くからの伝統のサーキットで、かつては20kmを越える距離を誇る、ベルギーのスパ・フランコルシャンのような森林コースで、非常に難しいチャレンジングなサーキットとして名を馳せた。

 このコースで最も印象的な出来事としてはやはり'76年のドイツGPを挙げざるを得ない。

 この年、圧倒的な強さで勝利を重ねた、前年度チャンピオンのニキ・ラウダのフェラーリ312T2が大クラッシュを演じ、炎上。ラウダは瀕死の火傷を負い、牧師が呼ばれて臨終の儀式が行われたほどであった。
 だが、奇跡的な回復力でラウダはわずか1ヶ月後、2戦を欠場しただけでフェラーリの地元イタリアGPに復帰したが、その顔はおびただしいまでの痛ましい火傷に包まれていた。

 このコースで最も印象的な出来事としてはやはり'76年のドイツGPを挙げざるを得ない。
 この年、圧倒的な強さで勝利を重ねた、前年度チャンピオンのニキ・ラウダのフェラーリ312T2が大クラッシュを演じ、炎上。ラウダは瀕死の火傷を負い、牧師が呼ばれて臨終の儀式が行われたほどであった。
 だが、奇跡的な回復力でラウダはわずか1ヶ月後、2戦を欠場しただけでフェラーリの地元イタリアGPに復帰したが、その顔はおびただしいまでの痛ましい火傷に包まれていた。

 さらに、休養していた間にマクラーレンのジェームズ・ハントにチャンピオンシップポイントで迫られていたラウダ。雌雄は最終戦、富士スピードウェイでの史上初の日本GPに持ちこまれる。
 凄まじい大雨に見まわれたこのレース、危険を感じたラウダは3周でレースを放棄。一方、ハントは一度は順位を落したものの、驚異の追い上げで3位に入り、1ポイント差で逆転し、チャンピオンを獲得した。

 レースを放棄した行為はエンツォ・フェラーリの逆鱗に触れ、ラウダはフェラーリから冷遇されるようになってしまった。テストなども、カルロス・ロイテマンを中心に行われるようになったのだ。

 しかし翌年もその逆境の中で、彼は以前とは違う、計算され尽くした冷徹なドライビングで確実にチャンピオンシップポイントを積み上げていった。
 そして2戦を残してチャンピオンを決めたラウダはエンツォ・フェラーリに三行半(みくだりはん)を突き付け、残りのレースを辞退。見事に復讐を果たしたのだ。(ちなみにその代役としてシートを得たのが、かのジル・ヴィルヌーブである)

 大きく話が逸れた (-_-ゞ。
 現在はその時のコースとは違い、近代的に改修されている。

 このレイアウトになってからのレースの中では、やはり'98年のハッキネンとシューマッハのトップ争いが印象的であろう。
 先行しつづけたシューマッハを、ハッキネンは見事なピット戦略で逆転。毎度シューマッハにやられた戦術で彼を破ったハッキネンがこの年のチャンピオンに王手をかけたレースであった。
 地元で見事に打ち負かされたシューマッハのあの落胆した表情は、F-1では初めて見る顔と言っても過言ではなかった。

 当然、天候同様荒れに荒れた昨年のレースも印象的であった。
 トップに立つドライバーがことごとく自滅していき、最後にトップに立った14番グリッドスタートのハーバートがスチュワートチームの初めての、そして最後の優勝を飾ったのは記憶に新しいところであろう。


 さて、ようやくレースレビューに移る。
 10℃を切る非常に寒いコンディション。そして、予選同様、予測しにくい不安定な天候。もともと森林サーキットであったニュルブルクリンクならではである。



Start


 スタートで飛び出したのは、ハッキネンであった。フロントローのクルサード、シューマッハの間隙を縫い、トップで1コーナーに飛びこむ。クルサードは加速が鈍り、シューマッハにも抜かれ、3番手に落ちた。



Passing


 しかし、小雨がぱらつく微妙なコンディションでは、やはりシューマッハに一日の長があるのだろうか?差は広がらず、ついにはわずかなミスの間にハッキネンはパスを許す。
 一方その後方でもバリッケロがクルサードをパスし、フェラーリ勢がマクラーレン勢を逆転し、彼らのレインマスターぶりを見せつける。



 各車ドライタイヤでスタートしたこのレースであったが、ちょうど一度目のルーティンピットインを迎える頃には、完全にレインコンディションと言える状況になっていた。各車、燃料給油とともに、レインタイヤに換装していく。
 このコンディションがもう10周くらい早いタイミングであったなら、さらにピットインの駆け引きは面白くなっていたかもしれない。ルーティンまで引っ張るか、早めにレインに交換するかで、大きく明暗が分かれた可能性があるからだ。その点では多少残念な感はある。

 その一度目のピットインではシューマッハもハッキネンも失敗し、10秒以上もの時間を要してしまった。
 だが、より多くの燃料を積んだこともあり、ハッキネンの方がロスが大きかったようで、先にピットインしたクルサードにも先行を許してしまった。

 だが、ピットイン後、小さなトラブルが発生したと言うクルサードをかわしたハッキネンのペースがなかなか良い。わずかずつながらシューマッハとの差を縮めていく。

 昨年同じコースで不甲斐ないレインのレースをしてしまったために雨に不得意な印象が強いハッキネンであるが、かつては初入賞の'91年サンマリノや4位入賞の'92年フランスでは切れの良い走りを披露しており、決して雨に弱いわけではないのだ。
 個人的に、昨年の走りは、ポイントで劣るクルサードにチームオーダーを出さず、なかなか自分中心になってくれないチームに落胆しての精神的なものが大きいと思っている。

 一方、中団グループでは数台による激しいバトルが繰り広げられていた。
 雨によってスピードが落ちるため、複数のラインがとれること、エンジンパワーの差がなくなり、マシン格差が小さくなること、またブレーキングの距離が長くなることから、レインコンディションでは現代F-1でもこうしたバトルが可能になるのだ。(本来、ドライでもこうした展開であるのが本筋なのだが...)

 しかし、1コーナーでアロウズのデ・ラ・ロサをパスしようとしたジャガーのアーバインがスピンし、そこにラルフが突っ込み2台ともにリタイヤする。直後、ロサとともに上位に進出していたアロウズのヴァースタッペンもスピンでクラッシュを喫し、レースはにわかにサバイバルの様相を呈してきた。



de la Rosa


 そんな中快走を見せたのがデ・ラ・ロサである。
 2度目のピットインを遅らせた彼は、ピットインするまでバリッケロを抑えて3位を走っていた。そして最終的には1年以上ぶりの6位入賞を果たす事になる。
 昨年を棒に振ってまで今年の開発に力を注ぎ、意欲的な低重心マシンを作ってきたアロウズの速さが、いよいよ結果に結びついてきた。



 さて、トップ争いに戻ろう。
 1度目で少な目の給油だったシューマッハは2度目のピットインをかなり早めに行った。

 燃料を積みペースの落ちたシューマッハを尻目に、ハッキネンは自らの2回目のピットタイムを稼ぐべく、猛然と差を広げ始める。
 だが、その彼にピットイン直前「-6.1」のサインが出た。6.1秒足りないというのか!?

 いよいよハッキネンがピットイン。
 ホームストレートをシューマッハが立ちあがってくる。
 どうだ!?

 ...マクラーレンピットの予想どおりであった。
 ハッキネンがホームストレートに戻った時にはシューマッハは1コーナーを駆け抜けていた。シューマッハの燃料が減ってペースが上がるにつれ、二人の差は広がらなくなっていたのである。

 一方、3, 4位争いは逆の関係であった。
 2度目も少な目の給油だったバリッケロは3度目のピットを余儀なくされ、クルサードは労せず3位を手中にした。だが、彼は最終ラップまでバリッケロの追い上げにさらされることになる。
 しかし、このマクラーレンとフェラーリの位置関係がサンマリノGPの展開と酷似しているのは興味深い。

 2度目のピットインではBARホンダのヴィルヌーブがエンジントラブルでそのままピットでリタイヤしていた。
 出来の悪いBAR02シャシーで粘り強く入賞を果たし、再び評価を上げ、他チームからのオファーも多くなっているヴィルヌーブであるが、これでまた移籍の可能性が高まったかもしれない。(一説にはマクラーレン入りも噂される)



Podium


 下位にはかなりの混乱が見られたこのレースであったが、上位4台は安泰のまま、フィニッシュ。
 一時はファステストラップをたたき出して追い上げたハッキネンも最後は差を広げられてしまった。3位クルサード以下に至っては周回遅れである!

 不調のベネトンを駆るフィジケラが見事な走りで5位入賞。ルノー買収の効果は多少なりとも、結果につながってきたようだ。




 さて、このレースでは再びシューマッハの強さが際立った。決して雨中でのハッキネンのペースが劣るわけではなかったが、やはりピット戦術の間にいつの間にか負けてしまった感がある。結局、序盤の微妙なコンディションでの走りの差がそのまま結果になっている。どんなコンディションでも最高の速さを引き出せるシューマッハの柔軟性が再び証明されたと言えよう。

 これでシューマッハは6戦4勝。
 これだけの戦績でチャンピオンになれなかった例はない。勝負に「前例」は必要ないが、これでチャンピオンになれなかったらもはや罪悪である (^^;;;;。

 一方でハッキネンにとっては次のモナコをとることが大きな目標である。シューマッハが非常に得意とするサーキットで彼を破る事が、前述の「前例」に打ち勝つ唯一の手段であると考えられる。

 次戦モナコは6/4である。

Result
1 M.Schumacher Ferrari 1:42'00.307
2 M.Hakkinen McLaren Mercedes +13.822
3 D.Coulthard McLaren Mercedes -1lap
4 R.Barrichello Ferrari -1lap
5 G.Fisichella Benetton Playlife -1lap
6 P.De La Rosa Arrows Supertec -1lap
7 P.Diniz Sauber Petronas -2laps
8 G.Mazzacane Minardi Fondmetal -2laps
9 J.Alesi Prost Peugeot -2laps
10 J.Button Williams BMW -5laps (Electorical)
11 J.Herbert Jaguar -6laps (Accident)
12 A.Wurz Benetton Playlife -6laps (Accident)
- DNF -

R.Zonta Bar Honda 51laps (Spin Off)

M.Gene Minardi Fondmetal 47laps (Slottle)

J.Villeneuve BAR Honda 46laps (Engine)

E.Irvine Jaguar 29laps (Accident)

J.Verstappen Arrows Supertec 29laps (Accident)

R.Schumacher Williams BMW 29laps (Accident)

M.Salo Sauber Petronas 27laps (Spin Off)

H-H.Frentzen Jordan Mugen-Honda 2laps (Engine)

J.Trulli Jordan Mugen-Honda 0lap (Accident)
- Disqualified -

N.Heidfeld Prost Peugeot -5laps

Fastest Lap : M.Schumacher (Ferrari) 1'22.269

Drivers
Chanpionship
Constructors
Chanpionship
1 M.Schumacher 46 1 Ferrari 62
2 M.Hakkinen 28 2 McLaren Mercedes 52
3 D.Coulthard 24 3 Williams BMW 15
4 R.Barrichello 16 4 Benetton Playlife 10
5 R.Schumacher 12 5 Jordan Mugen-Honda 9
6 G.Fisichella 10 6 BAR Honda 6
7 H-H. Frentzen 5 7 Sauber Petronas 1
8 J.Villeneuve 5
Arrows Supertec 1
9 J.Trulli 4
10 J.Button 3
11 R.Zonta 1

M.Salo 1

P.De La Rosa 1


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