Benetton B188
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INTRODUCTION

 '81年からF-1にステップアップしたトールマン。その最初のマシンをデザインしたのはロリー・バーンという南アフリカ出身のデザイナーでした。'85年にベネトンに買収されてからも、ほぼ絶え間なく'97年のB197までをデザインしました。
 その彼のマシンには常に彼独自のアイデンティティに溢れたデザイン哲学がありました。

 特に彼が強烈に個性を放ったのが、このB188を含む'80年代後半のマシン群です。彼は整備性やドライバーの居住性を削いでまで、極限の空力性能を求めようとしたのです。
 そのエキセントリックなまでのこだわりはマシンの外観にも表れ、ヴィヴィットなベネトンカラーと相まって、サーキットにおいて一際個性を放っていました。

 このB188は、ターボエンジン最後の年に登場させたマシン。エンジンは、基本設計'66年のフォード・コスワースDFVを3リッターに拡大したDFRエンジン。当然、ホンダの最新ターボエンジンには叶うべくもありません。
 ところが、この見事な空力パッケージをまとったB188は常にNAエンジン勢のトップを走り、ホンダターボを積んだロータスを上回るコンストラクターズ3位を獲得してみせたのです。


PICTURES & ANNOTATES

flont

 フロントビュー。非常に細く縦長なノーズ・モノコックと、サイドポンツーンの上に四半円状に開けられたインダクションポット、滑らかな上面を広くとった特徴的なサイドポンツーンと、実に特徴的なマシンですね。

 また、ベネトンの、原色を散りばめたカラーリングも目をひきます。

flont wing

 フロントウィング。バーンがこだわってきたフロントベンチュリーを実現する、フラップがない巨大なウィングです。
 あまりの大きさに、エクステンションワイヤーが張られていますね。

 しかし、ダウンフォースの調整がしにくく、ジョン・バーナードの加入した'90年からはノーマルな2枚ウィングに変更されています。

engine

 フォード・コスワースDFRエンジンと、特徴的なラジエター・オイルクーラー、さらには縦置きミッション。

 当時としては独特だったこの縦置きミッションはリヤアクセルラインの前に置かれ、整備性は劣るものの、重量バランスや空力の点で大きなメリットがありました。その後、ステップドボトムとなった'90年代後半になってこのB188タイプの縦置きミッションが大ブレイクすることになります。

rear

 リアから。ちょっと暗くて見えづらいですが (-_-ゞ、非常に大きなディフューザが特徴的。
 当時としては実に先進的だった有機的なロリー・バーンのデザインが冴えています。

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