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 29th.Jan.2004

Portable Audio : Apple iPod

iPod
出かける時には絶対手放せないiPod。
車に装着するアタッチメント付きのケースに入れている。
ヘッドフォンは純正に変えて、10年ほど前からずっと愛用のソニーのMDR-E888。
このヘッドフォンの装着感は非常に良く、なかなかAppleにも真似できまい。

 中学生で音楽に目覚めて以来、カセット、CD、MDと、ポータブルオーディオと言えばソニーだと思っていた自分であるが、Mac信奉者となってからも、まさかAppleからこんなクリティカルな製品が登場するとは想像だにしていなかった。

 iPodはいわゆる圧縮オーディオプレーヤだ。圧縮オーディオ形式としてポピュラーなMP3の他に、MPEG4に含まれる優秀なコーデックであるAACにも対応を果たした(これは、ソフトのバージョンアップのみで対応したのだ)。  5GBのハードディスクを搭載し、Apple曰く1000曲を収録できる(自分は容量よりも多少音質に振っているため800曲程度だが)。コンピュータと接続することが前提であり、コンピュータ内のデータを転送して持ち出すという思想だ。その接続には高速なFirewire(IEEE1394)端子が使われ、5GBフルの転送でも15分足らず、アルバム1枚なら10秒程度で転送を終了する。

 2001年の秋にiPodが発表されたときは、事前にさんざん「Appleから画期的なデバイスが発表される」と言われていただけに、単に「音楽プレーヤ」の枠を出ないiPodに正直失望したのを覚えている。
 だが、非常にシンプルなデザインや、ホームページのデモから読み取れたよく練られたインターフェースに、段々とポジティブな印象が強くなっていった。なにより、数百曲を収録できるのはカーオーディオとして最強ではないか、と思うようになった。

 気が付けば、発売日にさくらやに駆け込む自分がいたのである...。
 そして、すぐにiPodにどっぷりである。もともとCDウォークマンを使っている時代から、キャリングケースに常に10枚ぶちこんで持ち歩いていた身からすれば、80枚相当をタバコ箱サイズで持ち運べてしまうのは快感以外のなにものでもなかった。

iPod Rear
後ろ姿。鏡面仕上げなのだ。
こんなに美しいポータブルオーディオ製品は、専門メーカーでもなかなかない。

 この類いのプレーヤは未だに中途半端で未熟な製品が溢れている。特に操作性に関しては、なぜそうなるのか理解に苦しむ製品も多い。
 そんな中現れたiPodは、優れたデザイン、操作性、音質、サイズ、容量といい、全てにおいて秀でた製品で、すぐに話題となった。それでいて、発売当初はMac専用となっており、Macユーザにとっては久々に大きな優越感に浸れるディバイスであった。

 その後、Winユーザからの大きな反響から、AppleはWin向けのiPodも発売するに至った。だが、やはりそれは仮の姿のようだ。

 iPodの素晴らしい操作性は「アーティスト」-「アルバム」-「曲」と非常にわかりやすく階層をたどって目的の曲を探し出せるところにある。たとえ1000曲単位を収録していても、曲を探し出すのに全く苦労しない。
 そしてこの操作性はApple純正のMac用ソフト、iTunesから受けついたものに他ならないのだ。iPodは(その登場時のコマーシャルの通りに)まさに、iTunesを外に持ち出すことを目的に作られたディバイスだったのだ。

iTunes
iTunesの画面。極めて直感的で分かりやすい。
ゴテゴテとしたスキンに凝りまくっているWin系のソフトとは一線を画している。
音楽業界に激震をもたらしたiTunes Music Storeへの接続ブラウザとしての機能も加わった。

 iTunesとiPodの連携も非常にわかりやすい。iTunesの全ての曲をシンクロさせることもできるし、iPodシンクロ用のプレイリストを作って曲を放り込むでも良い。あとはつなぐだけ。6ピンのFirewire端子のおかげで、充電まで同時に行えるのだ。
 さらに面白いのは、iTunesとiPodで曲の再生した回数や日時を記憶できることだ。つまり、出先のiPodや家のiTunesで再生した曲で「再生回数ランキング」や、「最近再生した曲」といった統計がとれたりする。

 Win版の同期ソフト(MusicMatch)はあまり使い勝手が良くないと聞く。そもそも、Winでは4ピンFirewireが主流で、充電もわざわざACアダプターが必要なのだ。Win版ユーザには申し訳ないが、MacとiPodとのこのシームレスな連携を知っている身からすると、なんともったいない、と思ってしまう。

Calender

 iPodにはさらに面白い機能がある。Macの予定表とアドレス帳を転送できるのだ。これもボタン一発である。
 人にはよく「こんなの使えるのか?」と言われてしまうが、案外自分はこれを重宝している。予定の何分前にアラームを鳴らす、と言った使い方もできるし、出先で人のメールアドレスを調べたりもできる。手帳を持つ習慣がどうしても身に付かない自分にとっては、こいつが手帳代わりなのだ。
 出先で書き込みできないことだけが残念だが、まあオマケ的機能にそこまでは望めまいか。

 ともかく、自分にとってこのiPodは、その中に入った800曲の音楽とともに、まったく手放せないアイテムになっているのだ。




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