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 22nd.May.2004

Car : Honda Prelude

Prelude
夕日に佇むプレリュード。ワインレッドのカラーが映える。

 登場した時から気になっていたこのプレリュード。それから3年以上経ち、社会人になって埼玉に住んでからついに念願かなって購入したのであった。かなり状態の良い中古を見つけ、即決めてしまった。ワインレッドのカラーも決め打ちだった。

 だが、バブル崩壊後にモデルチェンジしたこの型は、歴代プレリュードの中でも記録的に売れなかったらしく、21世紀を待つことなく、とうとう絶版に追い込まれてしまったのである。
 RV全盛の時代。もうこういうスポーツタイプのクーペは売れない時代なのだなぁ。

 買ってから特にカスタマイズなどは施していない。もともと前オーナーが付けていた装備も純正パーツだ。
 自分の中にはどこかに、ノーマル=完成形という美学があるような気がする。きっと車の開発者にとっての完成形は売られている基本形なのであって、そこに後付けでいろいろ付けていくことは、その完成形を崩していくことではないか、と思ってしまうのだ。

 加えて、車のカスタマイズにはもちろん、金がかかる。衝動買い魔の自分にとっては、それはきっと破滅への道のような気がしてならないのだ!


Cockpit
低い運転姿勢。買った当初は車幅感覚が全然なかった...。

 正直なところ、車体はでかい。だが、素直で運転しやすいノーブルな車だと思う。
 また、でかい分、クーペながら案外車内は広い。それなりに後席も使える。

 トランスミッションはマニュアルだ。下らないこだわりかもしれないが、どうしてもマニュアルの車に乗りたかった。
 確かに渋滞の時は辛い。だが、後悔することはない。自分のギヤ操作で力強く加速する時のG。エンジンブレーキのサウンド。自分は走り屋ではないが、そうしたことに喜びを感じる「運転=楽しい」と思う種類の人間のようだ。

 ナビは純正だ。当然この車が登録された'96年のものだ。ハッキリ言ってアホである。ずれるのがデフォルトと思うくらいがちょうど良い。まあ、安心のためのおおまかな現在地確認ツールと思っている。
 そもそも、オーディオやエアコン操作も統合されているから付け替えられないのだ。

 付け替えられないのはオーディオも同じだ。7スピーカーついていて、それなりの音が鳴る。だが、問題はカセットとラジオしかついていないことだ。だから当初はCDウォークマンをカセットアダプタでつなげて聴いていた。
 だが、ただ単にニーレストの上に置いておくだけだったので、ブレーキングで前にすっ飛ぶ。当然CDの交換は運転中は至難の業。長い旅行の時にはCDキャリアを持って行っても最後の方はネタ切れも起こっていた。

 しかし、救世主は現れた。Apple iPodである。
 詳しくは"Portable Audio"で述べるが、ストイックに音質を求めさえしなければ最強のカーオーディオデバイスでもある。固定できるようなケースとFirewireの12Vコードを買ってつないでいるので、電池の心配もない。日中明るい時に画面が見辛いという欠点を差し引いても、アルバム数十枚を車に積めるメリットは素晴らしい。


Engine

 話が逸れたが、プレリュードに話を戻そう。
 プレリュードとは言っても、実はエンジンはV-TECではない。こんなスタイルのくせに、ガソリンはレギュラーだし、160馬力しか出ない。...私は所詮ルックス最優先の男である。

 しかし、このエンジンは本当に扱いやすいということも付け加えておきたい。自分の拙いギヤチェンジでも、しっかりしたトルクで支えてくれるし、思いきりアクセルを踏み込めば、乾いた気持ちの良いサウンドを聴かせてくれる。それでいて、努力すれば燃費も街乗りで10km/lに迫ることもあるのだ。


Gymkhana
ジムカーナでタイム計測中。
曲がる目印であるパイロンが全く写ってない...(それだけ大回りしているのだ)。

 基本的には「運転するためだけ」に運転することは少ない自分だが、たまに会社の自動車部主催のジムカーナに出場することもある。
 ジムカーナとは、駐車場のようなスペースにパイロンを立て、決められたコースを走ってタイムを競う競技だ。他車とぶつかる心配もないし、最高速度もさほど高くないので、かなり敷居の低いモータースポーツだといえる。
 下手の横好きもいいところで、常に最下位クラスである...。そもそも、ジムカーナのように小回りする競技には、この車は図体がでかすぎるのだ。
 だが、目一杯アクセルとブレーキを踏んで車の限界を引き出すというのはなかなか気持ちいいものだ。

 世間一般から見れば中途半端な車なのだろうと思う。パワーそこそこ、ルックスも控えめ。クーペとしては広いが当然セダンやワンボックスには叶うべくもない。
 だが、これほど絶妙に私の琴線を刺激する車はないのだ。自分の等身大を表していると言っても過言ではない。初めて買った車がこのプレリュードで本当に良かった、と素直に思えるのだ。




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