Gouloises Prost Peugeot
AP03

(lauched on 1st.Feb)

< Jordan Sauber >

チーム状態など

 リジェを買収しプロストとなってから4年。しかし、大幅な組織改革や、マシンの戦闘力不足から、期待外れの成績の続いてきました。今年はIT業界大手のYahoo!の大口スポンサーも獲得し、さらなる体制固めが進んだ一方、その期待はさらに大きくなり、失敗の許されぬ状況になったとも言えます。
 マシンの開発は、昨年躍進したスチュワートSF-03を作ったアラン・ジェンキンスがテクニカルディレクターに就任、もとからいたロイ・ビゴワがその下のチーフデザイナーとなり、さらにコンサルタントとして、あのジョン・バーナードが主宰するB3テクノロジー社が協力するという、超贅沢体制です。しかし、「船頭多くして...」とも言われます。果たしてうまくまとまるのでしょうか?

 ドライバーも刷新。超ベテラン、直情型ジャン・アレジと、ルーキー、沈着冷静型ニック・ハイドフェルドという対照的なラインナップはレベルが高いです。
 ハイドフェルドは昨年マクラーレンジュニア(ウェストコンペティション)でF3000チャンピオンに輝いたドライバーなのですが、これがプロストとマクラーレンの強い結びつきを示すものであり、今年一杯といわれるプジョーに変わり、メルセデスの2ndチームになるのでは、という噂にも繋がっています。


オーバービュー

launch

 さて、肝心のマシンAP03は、昨年非常に奇抜だったデザインから一転、オーソドックスの極みとさえ言えるスタイルに変更されました。大柄でバランスの悪かったAP02の面影は消え、徹底的にシェイプアップされました。これはもう完全にマクラーレンコピーと言って良いでしょう。
 そもそも昨年マクラーレンコピーで成功したSF03を制作したジェンキンスが加入したわけですから、当然の変化とも言えます。しかしながらSF03と比べると保守的でどうも突き抜けるものが感じられませんね。


マシン前半部分

monocock
AP03のモノコック上のフィン

 フロント部分は昨年からマクラーレン風の低いノーズでしたが、どうにも大柄だったモノコック(*)は上面にフィンを立てて大きくシェイプアップされました。このフィンは他のどのチームよりも長いのですが、高さは低くしかも一様です。う〜ん、なんだかあまり意味を感じない形状だなぁ...。

 フロントウィングの翼端板は他のチームとは逆で、下側が内部へ折り込まれたタイプになっていますね。ただ、それ以外は、大きなディフレクター(*)、丸くなっているフロントウィングステーなど、全くのマクラーレンコピーという印象が強いですね。なんの冒険も試みられたあとがありません。


マシン後半部分

 マシン後半部分は非常にコンパクトにまとまりました。相当ホイールベースは縮まったでしょう。

side-pontoon
AP03リア部分

 昨年は非常に奇抜なデザインを採用したサイドポンツーン(*)もコンパクトでベーシックな形状になりました。ただ、その後端部分のコークボトル(*)は他チームと比べても非常に深く絞り込んであり、その効果は高そうに見えます。
 それに貢献してるのが、やはり、昨年の段階で既に導入したいた上方排気でしょう。これも今年になって完全に各チームのスタンダードとなりましたね。

 また、高さの方も非常に低くなっており、プジョーエンジンも随分と小さくなったことが伺えます。

 あらゆる部分においてまるで特徴のないAP03の中で、唯一と言って良いアイデンティティが、サイドポンツーン後端部分の二枚構造のフィンですね。昨年はただ単にフィンの枚数だけが目についていた印象がありましたが、今年はなかなかに良くまとめられ、それなりの効果があるように感じます。


総括

 まるで気のてらったポイントを見受けられないAP03。まあその分、デザインレベルとしては他チームと同レベルにようやく並んだと言えるでしょう。しかし、どうにも「攻め」の姿勢というのは感じられませんね。
 しかも、テストではエンジンとギヤボックスで共有した油圧系システムにトラブルが続発!なかなか走り込むことができず、アレジのイライラもつのっているようです。
 さらには、元師弟関係にあったジェンキンスとバーナードの間にも不仲が伝えられる始末。やはり「船頭多くして...」なのか...。

 これでは今年いっぱいと言われて久しいプジョーの愛想も尽きてしまうでしょう。プロストは本当に窮地に立たされていると言えます。優勝どころか表彰台に乗れるかどうかも怪しい、昨年同様の苦しい戦いを強いられるかもしれません。

< Jordan Sauber >
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