Telefonica Minardi Fondmetal
M02

(lauched on 16th.Feb)

< Ferrari

チーム状態など

 昨年は久々のポイントも獲得したミナルディ。フォンドメタルのガブリエル・ルミが実権を握り、スペインの大手通信会社テレフォニカの資金流入により、一時に比べるとチーム状況は安定してきたと言えます。チームはテレフォニカの影響力が強まり、スペイン色が増しているようですね。

 しかしながら、やはりワークスのエンジンを持たない辛さは否めません。今年も結局直前までエンジンが決まらず、昨年も使用していたフォードZETEC-Rエンジンを自社メンテナンスで使うことになりました。
 ドライバーも昨年成長を遂げたとは言え、まだまだ2年目のマルク・ジェネにテレフォニカの意向を反映し、アルゼンチン人のルーキー、ガストン・マッツァカーネを起用。しかしながら、この布陣の力は全く未知数だと言わざるを得ませんね。

 決定的に遅れてしまったマシン開発プログラム。さらには本当に自社メンテナンスでまともに走れるのか?ドライバーは?またまた不安だらけのミナルディのシーズンが始まります。


オーバービュー

round1

 さて、全チーム中で最も遅く完成したミナルディのM02はフェラーリなどでも活躍したグスタフ・ブルナーがリーダーとなって作成されました。はっきり言って完全にマクラーレンのコピーと言わざるを得ないのですが、しかしチームの規模から考えると、かなり頑張ってマシンを作ってきたのでは、と思わせます。昨年感じられたような時代遅れ感はかなり薄まったと思います。


マシン前半部分

monocock
格段にシェイプアップされた
M02のモノコック

 昨年太く無骨だったノーズは、非常に薄く、細い繊細なものに生まれ変わりました。このチームも、モノコック(*)上にフィンを設けて規定よりさらに薄くしていますね。

 非常に高いアッパーアーム(上側のサスペンション(*)アーム)、それと分離したタイロッド(*)、大きなディフレクター(*)、有機的な3D形状のフロントウィング翼端板などは、もはやスタンダートと言えるものを忠実に採り入れています。なんともグスタフ・ブルナーらしい手堅さを感じますね。


マシン後半部分

rear
M02サイド〜リアビュー

 マシン後半部分でも、F-1マシントレンド目白押しという感じです。
 まずは、あのミナルディが上方排気を採用してきたことに驚きです。フェラーリの採用からわずか二年で上方排気がF-1界のスタンダードになってしまったのですね!
 で、偉いのは、上方排気を採用した分、しっかりコークボトル(*)の絞り込みを強くしていることですね。上方排気を採用したのにあまり変わらないザウバーあたりよりも積極性を感じます。

 ラジエターの排気ダクトは完全に昨年のマクラーレンのコピーですね。リヤタイヤ直前に大きめのフィンを立て、その上面に排気をしています。でもさすがにマクラーレンと比べるとどうも無骨であまり綺麗ではありませんね。

 インダクションポット(*)部分とドライバーのサイドプロテクターはフェラーリ同様に分離しており、間を空気が抜けるようになっています。そのため、インダクションポットは非常に細く作ることができています。


総括

 チーム力としては完全に弱小のミナルディですが、上方排気を初めとして、至る部分で一生懸命トレンドについていこうという意識が見えて、何やら微笑ましささえ感じてしまうマシンです (^^;。ドライバーのコメントも、なかなかマシン自体の素性の良さはあるようです。

 しかし、いかんせんエンジンが不安です。ただでさえチーム力がないのに、エンジンのメンテナンスまでとても手が回っているとは思えません。非常に苦しいでしょう。昨年サバイバルレースを生き延びて1ポイントを獲得したミナルディです。素性の良いマシンをエンジンの信頼性の低さが引っ張らないよう願うばかりです。

< Ferrari
Back to Unchiku-Lite vol.20