West McLaren Mercedes
MP4-15

(lauched on 3rd.Feb)

< Sauber Ferrari >

チーム状態など

 アドリアン・ニューウィーの加入、メルセデスエンジンの熟成、さらにはハッキネンの成長から、再び王者に返り咲いたマクラーレン。しかし、昨年はフェラーリにコンストラクターズタイトルを奪われました。
 しかしながらメルセデスが筆頭株主となりさらにチーム基盤が安定した上、ニューウィーを中心とした技術陣やメルセデスエンジン、ドライバー、スポンサーに至るまで何も変更もなく、非常に強力な布陣と言えるでしょう。
 今年はそこに、テストドライバーとして、優勝経験すらあるパニスが就任。マシン開発のスピードもさらに加速することは間違いないでしょう。


オーバービュー

test

 さて、今年も本命の一角であることは間違いないMP4-15。一見すると昨年のマシンから大きな変化がなく、ファンとしてはなんだかもの足らない印象...。
 今のレギュレーションも大きな変化なく今年で3年目。既に大幅な改良な余地がないということはニューウィーも認めています。逆を言えば、それだけマクラーレンが早い段階から今のレギュレーションでの完成形に近付いていたということでしょう。


マシン前半部分

 まずマシン前半部分を見ると、恐らくモノコック(*)の高さは同じようですが、ノーズが多少短くなり、その影響で先端部分は少し高くなっています。昨年ナーバスだったマシンの挙動を押さえる目的があるのでしょうか?

sus-arm
MP4-15のサスペンションアーム

 昨年シーズン途中に、一昨年と同様の、アクセルラインの高さに戻されたタイロッド(*)は、再びサスペンション(*)のアッパーアーム(上側のアーム)と同じ高さに戻されました。
 まだこの部分に関しては空力性能をとるのか、サスペンションのセッティングの自由度を広げるか、ニューウィーにも迷いがあるようですね。その証拠に、昨年同様、アクセルラインの高さに戻せるよう、突起が残っていますね。

 昨年最終戦で試されたフェラーリ風の3Dディフレクター(*)は結局採用されず、結局、これまで通りの大きな一枚板のものです。フロントウィングなどにも変更はなさそうです。
 一方、規定の変更から、昨年非常に低かったドライバーのプロテクターは多少高さを持ったものになり、ニューウィー加入以前のMP4-12にも似た流麗なデザインになりましたね。


マシン後半部分

 あまり変化のない前半部分はともかく、MP4-15の目玉は後半部分にあります。

diffuser
センターディフューザの
真ん中に排気するMP4-15

 他チームが排気がディフューザ(*)の空力に与える影響を回避するために上方排気を採用する中、マクラーレンは全く逆のことをやってきました。
 その名も「センターエキゾースト」。これは左右の排気管がマシンのボトム付近でほぼ一つにまとまり、そのままセンターディフューザに排気されると言うものです。これによって排気のエネルギーによりディフューザの空気が加速され、さらにダウンフォースを得ようというものです。

 他チームがこれを嫌がるのは、エンジンの回転数によってその効果が変化し、マシンの操縦性に悪影響を与えるからです。しかし、マクラーレンとメルセデスはなんらかの方法でこれを解決したようです。当初は規則の編み目をくぐって何らかのデバイスを用いていると言う噂が流布しましたが、どうも、排気管などのレイアウトを工夫しただけのようです。(ちなみに、排気効率をバルブなどでコントロールすることは禁じられています)
 まあ、これらはまだまだ不明の点が多いのですが、テスト中もメルセデスエンジンが、異常なほどの高音を発しているとの報道がありました。「昨年と見た目が変わらない」という声と反するように、かなり踏み込んだ開発が行われていることは確かです。

 さて、そのセンターエキゾースト導入の影響か、リヤカウルはさらに低くなりました。リヤタイヤ前のフィンはさらに大きくなり、リヤサスペンションを覆うバルジも、カウル後部に大きく張り出していることが、それを示しています。当然コークボトル(*)の絞り込みもさらに強化され、リヤの空力の効率化が進められています。

rear
煙突状ダクトが目立つサイドポンツーン

 んで、その一環として導入されたのが、新たなラジエターの排気方法です。これは発表会では取り付けられていなかったものですが、リヤカウルのフィンの直前に高さ20cm程の、ティアドロップ(涙滴)形状をした煙突を立て、その内部から排気するようになっています。さらに、取り外しがきくので、予選では使用しないなど臨機応変に使い分けることが考えられます。
 「うわー、ここまでするか?」という感じですが、非常に美しい流れのあるニューウィーのデザインだけに、この煙突は非常に異質な感じで目だちます。美しくはないですね...。そりゃ、見るからに効果ありそうだけど...。

 インダクションポット(*)は昨年よりも多少丸みを帯び大きくなりました。さらに、その位置は昨年よりも後退し、ドライバーのヘルメットからの距離を広げてあります。なんだか、ニューウィー作のウィリアムズFW19に先祖返りしたようなルックスですね。
 その横のフィンは昨年の丸い形状のものから、フェラーリや、昨年のスチュワートSF03のようなものに変更されています。この辺りも非常に流麗で美しいデザインですね。


総括

 総じて見ますと、とげとげしいほどシャープな印象だったMP4-14と比べ、丸みを帯びたMP4-15はいかにも信頼性がアップした質実剛健な印象を受けます。一方ではセンターエキゾーストのような意欲的な試みも行われており、さすがはニューウィーと思わせます。完成度は全チーム中随一と言って良いでしょう。
 ただし、今年はレギュレーション定着3年目であること、フェラーリがかなり攻め込んだマシンを作ってきたことから、昨年までよりもマクラーレンの絶対的なアドバンテージは少ないように思えます。しかし、狙った信頼性が確保できたのなら、やはり今年もマクラーレンが本命だと言わざるを得ません。

 マシン側としてはもはや何も問題ない。あとはドライバー次第と言ったところでしょう!やっちゃいけないミスをしない。同士討ちをしない (。_゜☆。

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